2014年10月20日月曜日

プーケットぐーたら旅行 4

いつごろからか、定年退職したら、世界を旅してみたいと思っていた。
まず、2012年・64歳を迎える春、アメリカ西部の荒野に広がるグランド・キャニオンやモニュメント・バレー、イエローストーンなどを20日ほどかけて、妻と二人でアメリカ西部を車で巡る旅に出かけた。英語力はお粗末だったが、旅のスケジュール、予約から運転まで、ちょっと「自立」した旅になった。

もう少しこんな旅をしてみたいと思っていたのですが、のびのびになった2年ぶりの旅は、一転、息子夫婦と4人でタイ・プーケットへ、ぐーたら旅行。



プーケットぐーたら旅行


第3日 5月30日


プーケット3日目は、近くの島まで小旅行の日です。

    プーケットと言えば、デカプリオの映画のロケ地「ピピ島」や、007ジェームス・ボンドのロケ地「バンガー湾」でのシーカヌー遊びなどが人気の日帰り小旅行先として有名です。当然、最有力候補に上がっていましたが、船酔いに不安を抱えるメンバーに合わせて、プーケット島から一番近い「コーラル・アイランド」に出かけることにしました。この島だと港から直線距離で数キロ、15分か20分ほどしかかかりません。

    朝、ホテルまで車で迎えに来てくれて、帰りもホテルまで運んでくれるラクチンなツアーです。息子が日本からメールで仮予約、前日電話でホテルから最終確認してくれ、料金は当日払いでいいと言われたそうです。

    ホテル前で待っていると8時過ぎに大き目のワゴン車が到着。すでに8人乗っていて、私たち4人が乗り込むと満席。中国系と中近東系の若いカップル2組と、アラブ・ゲリラみたいな風貌?の若い男の子4人。そのアラブ・ゲリラたちが席を移動して私たち4人のスペースを空けてくれました。顔はかなりいかついけど、ケッコウいいやつみたいッス。


    着いたのは「Chalong Bay」という、カタ・ビーチからはちょうど島の反対側あたりにある観光船用の埠頭。すでに人であふれかえっていました。私たちのように、ワゴン車に乗せられて到着した観光客は次々と4コースほどに分かれて、受け付け。

    リストで名前をチェック。元気なおばちゃんに、受け付けのそばにいるようにいわれ、最初はおとなしく待っていましたが、なかなか出発しそうにありません。やっと、救命胴衣が出てきましたがそれでも、動き出しそうにありません。痺れを切らして、周辺を少し歩き回ってみました。

    砂浜のビーチから長い桟橋が沖へ向かって長く突き出しており、その桟橋の北側のビーチには小型の船外機付き高速ボートに混じって、大型の高速ボートが10隻ほど並び、沖合にも同じような小型、大型のボートがたくさん停泊しています。

    待っている客は日差しがきついので、皆さん木陰や、待合所に避難。車で一緒だった中国系のカップルもいました。流暢な英語で香港から来たんだそうです。客は、中国系が半分くらいで、アラブ系、インド系の顔も結構いる。みんなコーラル島へ行くのでしょうか。

    よく見ると、北の端のボートでは続々と人が乗り込んでいます。さらに、そちら方面へ誘導され、移動する人たちもいます。乗船が始まっているみたいですが、見回すと私たちの家族はまだのんびりしています。私たちの番ではなさそうです。

    そうしている間にも客を一杯積み込んだ高速船は浜を離れて出ていきます。人であふれかえっていた受け付け付近が閑散としてきたころ、やっと元気なおばちゃんから声がかかりました。

   先ほどのビーチに行くと、大型高速船はもう1隻しか残っていませんでした。しかも、船はほぼ満杯状態で、私たち4人が最後の客。砂浜から海につかり、船尾の簡易階段を上ると、「アラブ・ゲリラ」君たちが、手を挙げて席を空けてくれます。私は一段高くなった操縦席の横のシートの特等席に座れました。


    船が動き出すと、元気なおばちゃんが現地での注意など、英語で説明を始めた。どうやらこのツアーの引率者のようですが、どういうわけか、私たち家族はおばちゃんの庇護のもとにあるみたいです。いまだに料金を払っていないからでしょうか。



    着いた島は、プーケット島も間近に見える、穏やかな湾内の島、という感じ。先客はほとんど見かけないので、あれだけいた他のお客は全部ほかの島へ行ったみたいです。コーラル島が一番近いので、最後の出発だったのでしょう。

    さっそく、おばちゃんが島での過ごし方のレクチャー。昼食はあの向こうの建物、シュノーケルは無料で貸出するが、ロッカーは有料(200バーツ)。バナナボートや、パラセイリング、スキューバーダイビング入門コースなどのアトラクションの申し込みは、あそこ。浮桟橋に挟まれたエリア内だったらサンデッキも使っていい。トイレはこの裏に。集合時間は…。


    ビーチは屋根がついているだけの小屋や木々はちょっとトロピカルだけど、砂浜に続く海はどんよりもやがかかった感じで抜群の透明度とはいかないので、フツ―のビーチ風。これで熱帯魚はいるだろうか、水中メガネで見えるだろうかね。さっそく日本から持ってきたゴーグルを付けて泳いでみる。


    水は少し濁っているが、魚の姿が見える。救命胴衣を付け本腰を入れ、浮桟橋に沿って沖まで出て海中をのぞいていると、いるいる。いろんな種類の、小さな熱帯魚が泳ぎ回っている。すごいすごい。


    浜に戻ってきたところでひと段落ついたらしいおばちゃんの呼ばれた。料金を払ってね、ということだった。1人900バーツ。ま、小さな島だから取りっぱぐれはないわけだけどね。


   浜のデッキでゴロゴロしている女連中に「熱帯魚がウジャウジャいるよ」ご報告申し上げると、じゃあ、と重い腰を上げて海に入るという。しかし、顔を漬けるのは腰が引けるらしく、「いたいた」「ほんと、ほんと」パチャパチャ軽く水しぶきを上げただけですぐに浜へ戻ってきて、「そろそろお昼にしない?」炒めごはんに、チキン、辛い野菜のあえものなどをバイキング・スタイルでいただく。

  食後の一休みに入る


    と誰も遊んでくれないので、一人で浮桟橋の端まで行って海中をのぞいていると、しばらくして息子もやってきた。大の男二人が「ケッコウいるね。見えたよ」「そうだろう、いるだろう?」小一時間ほどお魚に遊んでもらうとさすがに、もういいか。浜に戻り、今度はデッキに座って本を読みだすが、すぐにウトウトしてしまったみたい。目が覚めると強い日差で胸からおなかにかけて真っ赤になっている。

   いい天気だ、雨季はどこへ行ったの?慌てて木陰のデッキに移動。波打ち際ではスキューバ・ダイビングの入門コースの連中が浅瀬でもがいている。ぼんやり眺めていると、しばらくすると頭が出るぐらいの深さでモゴモゴしてかと思ったら、引き上げてきた。ビーチのすぐ裏あたりを散歩すると、高床式の住宅街が広がり、足元ではニワトリが元気に飛び回っていた。


   こうして、だらだらと時間が過ぎ、あっと言う間に帰りの時間の2時半。結局、バナナボートなどのマリンスポーツには見向きもしないまま。



  息子夫婦は興味あったみたいだが、実は作戦ミスでタイ・バーツのキャッシュ不足に陥っていたのだそうだ。食事はクレジットカードでいけるだろうとふんでいたが、これが空振り。コンビニでビールを買ったり結構現金が消えていく。


  昨夜、町に出た時に両替屋でタイ・バーツを手に入れようとしたら、パスポートの提示を求められ、不携帯で両替ならず。いろいろ不運が重なり、このツアーの料金を払うと、ほとんど現金が残らない状態だったらしい。

  現金の方は任せていた息子夫婦から現金が足りないと聞かされていたのだが、のんびりモードに入ってしまって、町に両替屋くらいあるだろうと、いざとなればレートは悪いがホテルでも両替してくれるしと、ズボラを決め込んでいて、申し訳ないことをした。(後で、息子からホテルのレートを聞いたら1.5倍ぐらいとうとんでもないものだったそうだ)


  さて、高速艇で「Chalong Bay」まで戻り、再び車で送ってもらい4時前にはホテルに戻っていた。部屋やプールサイドで少しゆったりして、後は夕日をながめた後、ホテルで夕食をいただくことにする。チェックインの時におまけでもらった、カクテルのクーポンもここでつかっちゃいましょう。プールサイドでカクテルをいただきながら夕日をながめるってのもいいんじゃない。




  まだ明るいうちからデッキに陣取り、カクテルをいただきながらボーッと、今日もアンダマン海の水平線をながめる。









   ゆったりと太陽が海の彼方の積乱雲の向こうに沈んでゆき、青い空の雲が茜色に変わっていく。白波を立てて打ち寄せた波が、小さな波になり、砂浜で薄く長くなって広がると、波がヒタヒタおしよせたところだけが、砂浜も茜色に染まる。砂浜に座ってサンセットを見つめていると、なにもかもがドップリと茜色にそまってしまいそうだ。



   すっかり暗くなってしまった水平線から振り返ると、レストランやロビーの灯りが温かく私たちを迎えてくれているみたいだ。「おなか減ってきたね」



   メニューは肉やシーフードなどのバーベキューというシンプル料理を4人でシェア。スパイスがきいた料理が多いタイ料理が続いたので少し目先を変えたのだが、シーフードが素材もフレッシュ、ラムチョップも人気者で、どれもこれも大変おいしくいただきました。それでも3450バーツ、1万円余りとは。

   レストランを出ると夜店が出ていた。きれいな色とりどりの小物やカービングしたろうそくなどのお土産屋が何軒か出ていた。

   みんなで覗いていると、どこからか人懐っこい猫が私にすり寄ってくる。ちょっとシャムネコっぽいノーブルな顔つき。しばらく足元でからんでいたがそのうち姿を消した。







  
  
  そろそろ部屋に戻りますか?かくて、今日もグータラ。


   あすはパトン・ビーチへお買いもの。



2014年10月2日木曜日

プーケットぐーたら旅行 3

いつごろからか、定年退職したら、世界を旅してみたいと思っていた。
まず、2012年・64歳を迎える春、アメリカ西部の荒野に広がるグランド・キャニオンやモニュメント・バレー、イエローストーンなどを20日ほどかけて、妻と二人でアメリカ西部を車で巡る旅に出かけた。英語力はお粗末だったが、旅のスケジュール、予約から運転まで、ちょっと「自立」した旅になった。

もう少しこんな旅をしてみたいと思っていたのですが、のびのびになった2年ぶりの旅は、一転、息子夫婦と4人でタイ・プーケットへ、ぐーたら旅行。




プーケットぐーたら旅行

第2日 5月29日


     夜が明けきらないうちから目が覚めてはウトウトしていたが、とうとう7時ごろには起き出した。昨夜は真っ暗で気づかなかったが、ベランダの目の前は芝生の庭で、すぐにヤシの木越しにアンダマン海ときれいな砂浜のビーチ。ドドドドッザップ~ン、繰り返し押し寄せる波。太陽は雲の向こうでどんより、しゃっきりしない朝だが、ま、何といっても今は雨季なんだから仕方ない。




     ベランダのデッキに座ってぼんやりしていたが「よし、散歩に行こう」。砂浜まで出て、波打ち際に立って見回す。南と北の端に岩だらけの突き出した岬に挟まれた600~700mほどビーチだ。北の小高い岩だらけ岬に見える建物群がタイでは名の知れた有名ホテルと、ガイドブックに書いてあった「Mom Tri's Villa Royale」だろう。よし、とりあえず南だ。







   ビーチに沿って、ずっとデッキとパラソルが並んでいる。(朝はだれもいなかったが、昼間行くと地元のおじさんが所々にいて、営業している。借り賃は1日200バーツ。雨季なのでほとんど客はいないのだが)波打ち際の歩きやすいところを砂浜を踏みしめながら、私たちの泊まっているホテルの別棟前をすぎて、さらに岩場の岬まで。岩場の海辺あたりはどうやらカフェかなんかのお店らしいのだが、休業中のようである。ま、雨季だから…。



    そうなんです、プーケットは今、雨季なんです。実は、プーケットだけじゃなくタイの東海岸は春が終わると雨季に入り、プーケット地方は閑散期。にぎわいのベスト・シーズンは冬。もっとも雨季と言っても毎日雨がじゃんじゃか降り続いているわけでなく、降り出すとザーッと強く来るが長時間降り続くことはない、らしい。日本の梅雨もよく考えてみると、他のシーズンより若干雨が多い程度で、雨が降っていない日の方が多いくらい。ただ、スカーッと晴れ渡った日は確かに少ない。タイの雨季もそういう感じらしい。


     ところが、日本の梅雨と決定的に違うのは、タイの雨季は海が荒れること。で、きれいな海を目の前にしてダイビングなどの水遊びができなくなる。これはまずいです。だから、このシーズン、プーケット周辺の東海岸のリゾートはガラガラになるらしい。


     でも私たちはガラガラを狙ってやってきました。女性2人は海で潜ったり、海の波と戯れるのが苦手、さらにものの15分もボートに乗るとすぐに乗り物酔いするという何とも不幸な体質の人もいて、全員が楽しめる旅にしよう、ということで今回はマリン・レジャーはお預け。「海辺のリゾートでのんびり。泳ぐなら浮き輪に乗ってプールでプカプカ。うまくいったら夕日は見たい。あとお買い物も少し」という今回の私たちのリクエストには、雨季のプーケットはかなりいい線いってます。


    南の岩場からは、北へ向かって軽くジョギング。チョット汗ばんできて、体が活動し始めた感じが伝わってくる。でも今日はグータラの日なので、折り返して半分ほど走ったところでホテルの敷地内に戻る。


    まだプールには水着姿の人影はない。その代わり、従業員がヤシの木に長い梯子をかけて、葉の剪定をしたり、プールの底に沈んだゴミ掃除をやっている。おっちゃんやお兄さんがゆったりと「サワディー・クラッ」と声をかけてくれる。のんびりした朝だ。しかし、同じ朝の挨拶でも、女の人の少し鼻にかかったような「サワディー・カ~」のおっとりした方が断然いい感じだなあ。




     ロビー近くまで戻ってくると、周辺の道に白い花がいっぱい落ちていた。十文字の白い花に白いオシベがたくさん集まったような大きな花。見上げると巨大な木に、かろうじて1つ、2つほどの花が残っている。写真を撮ったりしていると、「サワディー・カ~」声とともに、あっと言う間に路上の花はきれに片づけられた。昼間は緑の葉ばかり目につく木だが、あくる朝も散歩に出ると、白い花が絨毯の模様のように落ちていたのに、「サワディー・カ~」の声とともに、何事もなかったかのように片付けられた。どうやら早起き鳥だけが、毎朝、この美しい光景を目に出来るようだ。

(後でネット等で調べてみました。「さがりばな」科の花に似ているようですが、よくわかりません)


     部屋に戻ると、さすがに相棒はベッドから出て、化粧室で朝のご準備中でした。昨夜、手付かずのまま冷蔵庫に入れておいたフルーツを取り出して、ミニバナナを一口。バルコニーに出て本を読んだり時間をつぶしているとようやく朝食タイム。う~ん、さすがに、食欲全開だ。


     チーズと野菜をオープンサンド風にしてペロリ、チョコとイチゴとホイップクリームをたっぷりかけたワッフル、どっさりフルーツ(パイナップル、スイカ、ランブータン、パパイア、ドラゴンフルーツその他)その間にジュースや甘いパンも一口、おっとオムレツもいただかなくちゃ。いつもの3倍ほどもいただいたが、ゆったり時間をかけていただいたせいか、みんなスルリスルリとうまく体の隅々にまで行き渡っていった感じ。


     食事をしながら、午前中は、このホテル内に5つあるというプールを巡り歩き、お昼はカタ・ビーチの町中にでかけて、ホテルに戻ってプールでのんびり。夕方は早めに、ホテル裏の高台にあるお店に行ってアンダマン海に沈む夕日をながめ、カタ・ビーチの町中で夕食―という本日の予定を決める。ついでに明日はプーケット島の南東にある「コーラル島」へ行くことにした。こちらは、本日中に予約を入れる必要があるため。決めたのはこれだけ。



    まず ホテルのプールめぐり。敷地の南側にあった砂浜沿いのプールは海との一体感がなかなかよかったが、結局は部屋から一番近いプールが一番だね、ということに落ち着いた。周囲の空間がゆったりしていて、プールもほどよい大きさでサイドバーが付いている。ランチタイムまで、ここのデッキチェアで本を読んだり、プールに入ったり、グータラすごす。雲間から時折太陽が顔を出す、ほどよいいい天気。


     やっと念願だったトゥクトゥクに乗ってカタ・ビーチの町まで出かけた。乗り込むと軽バンの運転席から後ろ全部のスペースに、向かえ合わせにシートが2本だから、見た目以上に足回りが広々。それでいてドアも窓もない開放感は最高。車内は照明器具やスピーカー、テレビモニターなどがはめ込まれ、ちょっとヤンキー風?にデコレーションされている。でも、シートベルトも、ドアもないから、走りだすとどこかにしっかりつかまってないと、大変。振り落とされそうだ。そのやんちゃな感じがいいんですね。ものの5分ほどで、カタ・ビーチ着。本日も200バーツなり。


     カタノイ・ビーチからちょっとした丘を越えてカタ・ビーチ側に入ると途端に道の両側に観光客向けの店が並ぶ。そんな店ものぞいてみようということなり、Tシャツ屋さんや、ゾウをあしらった小銭入れや何やかやの小物の店、両替屋、レストランなどが並ぶ通りをブラブラ。


     「この小道あたりを入った先のビーチ際の岩場に、何軒かレストランがあるはず」と適当に見当をつけて小道を入り込むと、道がなくなってレストランに突き当たった。不審な顔で辺りを見回していると、そのあたりの店の人が、ジェスチャーでレストランを突き抜けろと示してくれる。



   確かにレストランの人に何も言われず、ずかずか歩いて抜けると、ビーチに出た。おや、まあ。レストランが道を占拠しているのか、それとも店内通り抜けを黙認してくれているのか、不明だが、この「公」と「私」があいまいで、まあまあいいんじゃないの、という感じのアジアっぽさが私好みです。



   砂浜におりて見回すと岩場の傾斜地を利用して何軒かレストランが固っている。海辺から水着に軽く羽織ってそのまま食事ができる店。そのうちの一軒の店の名前「Mama Kata」に覚えがあったので入ってみた。チャーハン、焼きそば、ビザに瓶ビールという軽食をいただいたが、土地柄、シーフードがウリの店らしく、メニューには「ロブスター」もある。値段を見ると時価。やっぱりね、そりゃそうでしょう。冷やかし半分に聞いてみたら「0」が3つ付くとのこと。う~んこんなところで、ちょっと高いんじゃないの。昼食代金はビール込で580バーツ。



   浜を歩いて、町役場前のソーテン乗り場(乗り合いバス。行き先が限定され、頻繁に運行されていないので今回はお世話になる機会がなかった)を抜けて町一番のにぎわいを見せるカタ・ビーチ・リゾート&スパの角でカタ・ロードを北へ。






    ここからカタ・ロード右手には、道路沿いやそこから入り込んだ小道あたりにレストランやタイ式マッサージ、お土産屋、両替屋などが密集、トゥクトゥクもいっぱいたむろしている。(左手は地中海クラブの敷地が占めていて塀が続くだけ)






    50mほど行ったところで、Tシャツや何やかや、タイっぽいデザイン、カラーのお安い衣類を並べる小さな店が何十件と集まった一角に入り込んでみる。どうやらインド人街。息子が「Cheang」とタイ・ビールのロゴが入ったTシャツを100バーツなりで購入。お店にはユニークなマネキンが置いてあったりして、店を冷かして歩いているだけでもそれなりに楽しめる。







     トゥクトゥクでホテルへ戻り、サンセットまでホテルでまたグータラする。日が沈むのが午後6時半ごろなので、遅くても6時ごろには高台にあるお目当てのお店についておきたい。ホテルからトゥクトゥクに乗りさえすれば5分ほどでついてしまう距離なので5時半過ぎに集合すればいいだろうというメドである。


     それまで特にすることもない。女子連中もプールにやってきて、水遊びしたり。私は日本から持ってきた「草原の風」(宮城谷昌光)と「もっと遠く!」「もっと広く!」(開高健)をとっかえひっかえ、あっちを読んだりこっちを読んだりしながら、熱くなるとプールに入ってしばらくゆったり泳ぎ…を繰り返している。


     元来がせっかちで、せいぜい10分か、20分もジーッとしいると、落ち着かなくなる性分。特に旅に出ると、あれも見たいこれも見たいで、地図を片手に電車や路線バスを乗り継ぎ、朝から晩まで歩き回ってきた。ま、一言で言えば貧乏性、欲張った旅ばかりしてきたので、グータラ旅行なんて大丈夫だろうかと思っていたが、結構グータラも楽しめている。ま、年のせいもあるのでしょうね。



  5時半過ぎにロビーへ。お目当てのバー「After Beach Bar」をトゥクトゥクの運転手に告げると、200バーツだといい、向かえにも来てくれるという。バーはホテル裏の高台にあるので、距離はたいしたことはないがかなりの急な坂だ。帰りのタクシーは店で呼んでもらうことも想定していたのでありがたい。でも、帰りはホテルじゃなく、カタ・ビーチの町にしてほしいと念を押す。バーではお酒のみ、夕食は別の店でいただきたい。これで交渉終了。


   高台まで一気にやってくると、同じような店が3軒もならんでいた。サンセット見るならここ、の人気スポットなのだ。どの店でもよかったのだが、やはり真ん中の一番古い店「After Beach Bar」にする。


      先客は2、3組。皆んなテラスの一番はじ、サンセットのかぶりつき席に陣取っている。この店だけでもかぶりつき席は軽く10テーブルはある。私たちは北はじのコーナーのテーブルにした。飲み物はカクテルです、こういう所に来ると。メニューを見てもよく分からないが、プーケットパラダイスとか、いかにもそれらしい名前のカクテルが並んでいる。適当に注文して、さて、見回す。


   確かにこれはいい。超ワイドで広がる目の下のカタノイ・ビーチの向こうに、アンダマン海の水平線。空には雲があるが、暮れ始めた青空も広がっている。水平線の雲は積乱雲、その水平線に微かな白い突起物があるような…ジーッと見つめていると、停まっているように見えた微かな突起物は、ほんのわずかだけ左から右へ動いたみたい。船だよ、船。わずかだけど、着実に動いている。



   さて、サンセットの情景は、百聞一見にしかず。写真を見ていただくとして、沈んでいく夕日がサーチライトのように雲をオレンジ色に照らす光景は、感動ものでした。でも、夕日って、水平線に沈む前の空の青とオレンジ色の変化も華麗だが、沈んだ後の闇に包まれ切ってしまうまでのわずかな、濃い赤の余韻がいいかもしれない。名残の夕日の赤が闇につつまれ始めた暗い海原に、ポツリポツリと漁船のものとおぼしい小さな灯りが浮かんでいる眺めもいいものでした。



   気がつくとトップリと日も暮れ、カクテルもすっかり水っぽくなっていた。午後7時をずいぶん回っている。ここでの会計は4人で1200バーツなり。飲み物は3人がカクテル、1人がビール。おつまみにポテトフライト、カニ入りのタイ風サラダ。


   店を出ると、すでにトゥクトゥクが待っててくれた。本日の夕食は、昼間散歩にきた時に店の場所は確認しておいたカタビーチの「Sugar and Spice」というお店。店のある小道(Soi)の近くで停めてもらって200バーツなり。ホテルからバーまでの200バーツと合わせて一緒に払う。タクシーの値段はカタ・ビーチ内なら一律200バーツということらしい。日本円にすると600円強だから日本のタクシーと変わらない。しかしレストランで瓶ビール60~80バーツという物価からみるとかなりお高い乗り物ではある。


      やってきたレストラン、ビルの一階にある昨日よりおしゃれな作りだが、ここも窓枠もドアもないオープンな店構えで涼はファンだけ。したがって暑い。トムヤンクンやエビ炒めなどタイ料理をメーンにポークスペアリブや、ピザに中華の春巻が加わり、ビール1人2、3本で汗をかきながらまずまず満足…で1300バーツ。


   旅行では、どこで何を食べるかは、重要な部分を占めていることが多いものです。なので、今回もそれなりに下調べをしました。ところが、ガイドブックやネットの情報はプーケットといえばパトン・ビーチが中心で、その他地区はぐっと情報量が少なかったのです。そんな中でネットの「トリップ・アダバイザー」は店の数、情報の更新頻度とも飛び抜けていました。


   初日に選んだ「The Kitchen」も今日の「Sugar and Spice」も「トリップ・アダバイザー」では評価の高い店でした。しかし、この2店とも私の想像・期待より、地元タイ料理のクオリティーがやや低いかったような気がします。残念ながら。合格ライン、80点に少し足りないかな…という感じ。




     トリップアドバイザーの評価はご存じのようにユーザーの投稿で決まります。投稿の数が多いほど評価は安定してきますが、投稿するユーザーの国籍がバラバラで食文化の差がかなりありそうなリゾート観光客だったら、その評価はかなりおおらかなものになっても仕方なさそうです。


    美味しいタイ料理を食べたければ、バンコクに行くべしってことでしょう。




   レストラン近くに出ていた屋台のタイ風バーベキューや、タイ式マッサージのお店、観光客がたむろしている安いTシャツやビーチサンダルを並べた夜店などを冷やかしたついでに両換店をのぞいたら、両替にはパスポートが必要と言われた。仕方ないね、明日は早いからホテルへ戻ろうか。