2014年10月20日月曜日

プーケットぐーたら旅行 4

いつごろからか、定年退職したら、世界を旅してみたいと思っていた。
まず、2012年・64歳を迎える春、アメリカ西部の荒野に広がるグランド・キャニオンやモニュメント・バレー、イエローストーンなどを20日ほどかけて、妻と二人でアメリカ西部を車で巡る旅に出かけた。英語力はお粗末だったが、旅のスケジュール、予約から運転まで、ちょっと「自立」した旅になった。

もう少しこんな旅をしてみたいと思っていたのですが、のびのびになった2年ぶりの旅は、一転、息子夫婦と4人でタイ・プーケットへ、ぐーたら旅行。



プーケットぐーたら旅行


第3日 5月30日


プーケット3日目は、近くの島まで小旅行の日です。

    プーケットと言えば、デカプリオの映画のロケ地「ピピ島」や、007ジェームス・ボンドのロケ地「バンガー湾」でのシーカヌー遊びなどが人気の日帰り小旅行先として有名です。当然、最有力候補に上がっていましたが、船酔いに不安を抱えるメンバーに合わせて、プーケット島から一番近い「コーラル・アイランド」に出かけることにしました。この島だと港から直線距離で数キロ、15分か20分ほどしかかかりません。

    朝、ホテルまで車で迎えに来てくれて、帰りもホテルまで運んでくれるラクチンなツアーです。息子が日本からメールで仮予約、前日電話でホテルから最終確認してくれ、料金は当日払いでいいと言われたそうです。

    ホテル前で待っていると8時過ぎに大き目のワゴン車が到着。すでに8人乗っていて、私たち4人が乗り込むと満席。中国系と中近東系の若いカップル2組と、アラブ・ゲリラみたいな風貌?の若い男の子4人。そのアラブ・ゲリラたちが席を移動して私たち4人のスペースを空けてくれました。顔はかなりいかついけど、ケッコウいいやつみたいッス。


    着いたのは「Chalong Bay」という、カタ・ビーチからはちょうど島の反対側あたりにある観光船用の埠頭。すでに人であふれかえっていました。私たちのように、ワゴン車に乗せられて到着した観光客は次々と4コースほどに分かれて、受け付け。

    リストで名前をチェック。元気なおばちゃんに、受け付けのそばにいるようにいわれ、最初はおとなしく待っていましたが、なかなか出発しそうにありません。やっと、救命胴衣が出てきましたがそれでも、動き出しそうにありません。痺れを切らして、周辺を少し歩き回ってみました。

    砂浜のビーチから長い桟橋が沖へ向かって長く突き出しており、その桟橋の北側のビーチには小型の船外機付き高速ボートに混じって、大型の高速ボートが10隻ほど並び、沖合にも同じような小型、大型のボートがたくさん停泊しています。

    待っている客は日差しがきついので、皆さん木陰や、待合所に避難。車で一緒だった中国系のカップルもいました。流暢な英語で香港から来たんだそうです。客は、中国系が半分くらいで、アラブ系、インド系の顔も結構いる。みんなコーラル島へ行くのでしょうか。

    よく見ると、北の端のボートでは続々と人が乗り込んでいます。さらに、そちら方面へ誘導され、移動する人たちもいます。乗船が始まっているみたいですが、見回すと私たちの家族はまだのんびりしています。私たちの番ではなさそうです。

    そうしている間にも客を一杯積み込んだ高速船は浜を離れて出ていきます。人であふれかえっていた受け付け付近が閑散としてきたころ、やっと元気なおばちゃんから声がかかりました。

   先ほどのビーチに行くと、大型高速船はもう1隻しか残っていませんでした。しかも、船はほぼ満杯状態で、私たち4人が最後の客。砂浜から海につかり、船尾の簡易階段を上ると、「アラブ・ゲリラ」君たちが、手を挙げて席を空けてくれます。私は一段高くなった操縦席の横のシートの特等席に座れました。


    船が動き出すと、元気なおばちゃんが現地での注意など、英語で説明を始めた。どうやらこのツアーの引率者のようですが、どういうわけか、私たち家族はおばちゃんの庇護のもとにあるみたいです。いまだに料金を払っていないからでしょうか。



    着いた島は、プーケット島も間近に見える、穏やかな湾内の島、という感じ。先客はほとんど見かけないので、あれだけいた他のお客は全部ほかの島へ行ったみたいです。コーラル島が一番近いので、最後の出発だったのでしょう。

    さっそく、おばちゃんが島での過ごし方のレクチャー。昼食はあの向こうの建物、シュノーケルは無料で貸出するが、ロッカーは有料(200バーツ)。バナナボートや、パラセイリング、スキューバーダイビング入門コースなどのアトラクションの申し込みは、あそこ。浮桟橋に挟まれたエリア内だったらサンデッキも使っていい。トイレはこの裏に。集合時間は…。


    ビーチは屋根がついているだけの小屋や木々はちょっとトロピカルだけど、砂浜に続く海はどんよりもやがかかった感じで抜群の透明度とはいかないので、フツ―のビーチ風。これで熱帯魚はいるだろうか、水中メガネで見えるだろうかね。さっそく日本から持ってきたゴーグルを付けて泳いでみる。


    水は少し濁っているが、魚の姿が見える。救命胴衣を付け本腰を入れ、浮桟橋に沿って沖まで出て海中をのぞいていると、いるいる。いろんな種類の、小さな熱帯魚が泳ぎ回っている。すごいすごい。


    浜に戻ってきたところでひと段落ついたらしいおばちゃんの呼ばれた。料金を払ってね、ということだった。1人900バーツ。ま、小さな島だから取りっぱぐれはないわけだけどね。


   浜のデッキでゴロゴロしている女連中に「熱帯魚がウジャウジャいるよ」ご報告申し上げると、じゃあ、と重い腰を上げて海に入るという。しかし、顔を漬けるのは腰が引けるらしく、「いたいた」「ほんと、ほんと」パチャパチャ軽く水しぶきを上げただけですぐに浜へ戻ってきて、「そろそろお昼にしない?」炒めごはんに、チキン、辛い野菜のあえものなどをバイキング・スタイルでいただく。

  食後の一休みに入る


    と誰も遊んでくれないので、一人で浮桟橋の端まで行って海中をのぞいていると、しばらくして息子もやってきた。大の男二人が「ケッコウいるね。見えたよ」「そうだろう、いるだろう?」小一時間ほどお魚に遊んでもらうとさすがに、もういいか。浜に戻り、今度はデッキに座って本を読みだすが、すぐにウトウトしてしまったみたい。目が覚めると強い日差で胸からおなかにかけて真っ赤になっている。

   いい天気だ、雨季はどこへ行ったの?慌てて木陰のデッキに移動。波打ち際ではスキューバ・ダイビングの入門コースの連中が浅瀬でもがいている。ぼんやり眺めていると、しばらくすると頭が出るぐらいの深さでモゴモゴしてかと思ったら、引き上げてきた。ビーチのすぐ裏あたりを散歩すると、高床式の住宅街が広がり、足元ではニワトリが元気に飛び回っていた。


   こうして、だらだらと時間が過ぎ、あっと言う間に帰りの時間の2時半。結局、バナナボートなどのマリンスポーツには見向きもしないまま。



  息子夫婦は興味あったみたいだが、実は作戦ミスでタイ・バーツのキャッシュ不足に陥っていたのだそうだ。食事はクレジットカードでいけるだろうとふんでいたが、これが空振り。コンビニでビールを買ったり結構現金が消えていく。


  昨夜、町に出た時に両替屋でタイ・バーツを手に入れようとしたら、パスポートの提示を求められ、不携帯で両替ならず。いろいろ不運が重なり、このツアーの料金を払うと、ほとんど現金が残らない状態だったらしい。

  現金の方は任せていた息子夫婦から現金が足りないと聞かされていたのだが、のんびりモードに入ってしまって、町に両替屋くらいあるだろうと、いざとなればレートは悪いがホテルでも両替してくれるしと、ズボラを決め込んでいて、申し訳ないことをした。(後で、息子からホテルのレートを聞いたら1.5倍ぐらいとうとんでもないものだったそうだ)


  さて、高速艇で「Chalong Bay」まで戻り、再び車で送ってもらい4時前にはホテルに戻っていた。部屋やプールサイドで少しゆったりして、後は夕日をながめた後、ホテルで夕食をいただくことにする。チェックインの時におまけでもらった、カクテルのクーポンもここでつかっちゃいましょう。プールサイドでカクテルをいただきながら夕日をながめるってのもいいんじゃない。




  まだ明るいうちからデッキに陣取り、カクテルをいただきながらボーッと、今日もアンダマン海の水平線をながめる。









   ゆったりと太陽が海の彼方の積乱雲の向こうに沈んでゆき、青い空の雲が茜色に変わっていく。白波を立てて打ち寄せた波が、小さな波になり、砂浜で薄く長くなって広がると、波がヒタヒタおしよせたところだけが、砂浜も茜色に染まる。砂浜に座ってサンセットを見つめていると、なにもかもがドップリと茜色にそまってしまいそうだ。



   すっかり暗くなってしまった水平線から振り返ると、レストランやロビーの灯りが温かく私たちを迎えてくれているみたいだ。「おなか減ってきたね」



   メニューは肉やシーフードなどのバーベキューというシンプル料理を4人でシェア。スパイスがきいた料理が多いタイ料理が続いたので少し目先を変えたのだが、シーフードが素材もフレッシュ、ラムチョップも人気者で、どれもこれも大変おいしくいただきました。それでも3450バーツ、1万円余りとは。

   レストランを出ると夜店が出ていた。きれいな色とりどりの小物やカービングしたろうそくなどのお土産屋が何軒か出ていた。

   みんなで覗いていると、どこからか人懐っこい猫が私にすり寄ってくる。ちょっとシャムネコっぽいノーブルな顔つき。しばらく足元でからんでいたがそのうち姿を消した。







  
  
  そろそろ部屋に戻りますか?かくて、今日もグータラ。


   あすはパトン・ビーチへお買いもの。



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