2014年11月26日水曜日

プーケットぐーたら旅行 6

いつごろからか、定年退職したら、世界を旅してみたいと思っていた。
まず、2012年・64歳を迎える春、アメリカ西部の荒野に広がるグランド・キャニオンやモニュメント・バレー、イエローストーンなどを20日ほどかけて、妻と二人でアメリカ西部を車で巡る旅に出かけた。英語力はお粗末だったが、旅のスケジュール、予約から運転まで、ちょっと「自立」した旅になった。

もう少しこんな旅をしてみたいと思っていたのですが、のびのびになった2年ぶりの旅は、一転、息子夫婦と4人でタイ・プーケットへ、ぐーたら旅行。



プーケットぐーたら旅行

第5日 6月1日

最後の朝は、雲が空を覆い、どんより沈みきっている。散歩もいかず、バルコニーから海をながめ、少し早めに朝食へ。

   海に近い席に座って今日も、すっかり定食になってしまったいつもの大食いコース。オムレツとパン、ワッフルにフルーツ、朝の私のフルコースだ。食後、プールでちょっとゴロゴロしていたが、浜へ出て、少しアンダマン海の波に遊んでもらいたくなった。

   体だけのちょっとした波乗り。荒い波だと、うまく体を波に乗せると体がもみくちゃにされながら、砂浜にたたきつけられる。コツは波が砕ける少し前に体を投げ出す、そのタイミングだけだが、これがなかなかうまくいかない。早すぎても遅すぎても波の強烈な巻き込むパワーを体で受け止められず、体が豪快に運べれて行かないのだ。

夢中になって遊んでいると、息子がやってきて同じことを始めた。「結構遊べるね」「そうだらう、なかなかうまくいかないだよ」いつの間にか、小雨がぱらつきだした浜辺で、頭も薄くなった白髪のじいさんと、少し腹回りがダブつきだしたいい若いもんが黙々と、波に遊んでもらっている。


   じいさんは一足先にプールサイドへ引き上げたが、息子は一人でやっている。すっかりはまったようだ。荒れた海はそれなりに心配なので、プールサイドからぼんやりと海を眺めていたが、なかなか上がってこない。


   一度部屋に戻り、フェイス・ブックの更新をしにロビーへやってきた。

   ノートPCを今回も持ってきたが、WiFi環境は部屋でも使うには有料、ロビーだと無料だというのだが、プーケットまでグータラしに来て、部屋で一生懸命ネットしているというのも気にくわない。で、着いた2日目の朝にPCを持ってロビーまできて一度フェイス・ブックを更新したきり。帰国の日ぐらい更新しておきたくと思ったが、自分のPCをわざわざロビーに持ってくるのも面倒なのでホテルのPCで更新することにした。4台もあるのだが、使っている人をほとんど見たことがない。


   USBに写真を何枚か入れておいて持ってきただけ。

   もちろん、日本語が使えないが、ネットがつながりさえすればそこは日本語の世界。入力は英語ですがね。写真を何枚かアップロードし、簡単な英文で済ませてフェイスブックの更新完了。

   こうして海外に来てメールをしたり、ファイス・ブックの更新をしたりしていると、リアル・タイムで「つながっている」という不思議な感覚が実感できる。

   今回のようなグータラじゃなく、毎日移動するような旅行だと、自分のPCで地図やレストランの検索、宿の予約・確認などスイスイ、信じられないほどの便利さもたっぷり享受できる。さらに、デジカメの簡単な整理にも超便利。

   一度この便利さを味わってしまうと、ちょっと荷物になっても、どこへ行くにもこれだけは手放したくない。

   部屋に戻って相棒の荷造りを手伝っていると、雨が降ってきたらしく、外が騒がしい。

   こりゃあまずい。プーケット最後になる昼食は、カタノイ・ビーチの北の端のちょっとした岩場に建つ、有名な「Mom Tri's Villa Royale」のレストラン「Mom Tri's Kitchen」まで5分か10分ほど歩いて、海をながめながらランチにしようと思っていたのだが…。外を見ると、南国の雨らしくかなり激しく振っている。まずいじゃないですか。

   服も着替えて、出発の準備万端で外を見ても、雨はまるでやみそうな気配もない。



   最後の最後で雨じゃあ仕方ないね。ホテルの目の前にあるレストランになっちゃった。ここもタイ+イタリアン、中華などなんでもありの万国人気者メニューだったが、お味の方はご推察ください。



   ビールなども飲んでのんびりしてホテル・ロビーに戻ると、ツアーの現地ガイドさんが待っていた。あまり呑気にしすぎて、集合時間に遅れたみたい。

   すっかりネジが緩んだようだ。



   来た時と同じコースを車に揺られていると、すぐに雨も上がってきた。来た時より道はすいていたが、飛行場までたっぷり1時間。明るい中をゆっくり飛行場に近づいていくと、プーケット国際空港って、日本のちょっとした地方空港って感じだ。ガイドさんの案内でチェックインも終わって、私たち家族だけになったところで、順番にトイレへ行く。

   出獄審査でまた待たされるようなことがあると大変。一番にトイレを済ませ、皆を待っていてふと気が付いた。ノートPCどこへ入れた?リュックをあけると、な、い、。

   必死に思い起こす。そうだ、今預けた荷物に入れたんだ。それも一番上に。

   やばい!!!!!!トイレから帰ってきた息子に「パソコンを預けちゃった」とだけ言って、バゲッジ・クレームの半券にぎって思わず先ほどのカウンターまでダッシュ。

   当然荷物はもうそのあたりにはない。カウンターのお嬢さんを捕まえて必死にわめいた。あわくって、必死だった。何をどう言ったのか覚えてないが、どうせ「My computer、in my bag」程度のことだろう。すると、トランシーバーを持ったおにいさんを呼んでくれた。半券を見せながらわめいていたら、トランシーバーで連絡をしてくれた。

   しばらくやり取りをしていたが、付いて来いという。

   付いていくと、左右に広がるカウンターちょうど中央部分、左右から運ばれてきた荷物が、ここで階下の穴倉目指して下って行くベルトコンベアがT字形になったところで金網状になった出入り口にかかっていたカギを開け、さらに付いて来いと、ベルトコンベアに沿って階下に続く階段を先に立って下り始めた。

   そこは、滑走路に続く地上階で、降りてきた荷物を仕分けする作業場だった。作業中の手を休めた好奇の目にさらされる中、呆然としていると、すでに車の荷台に乗っている荷物の中から自分の物を捜せという。なるほどそういうことか。合点だ。バッグはすぐに見つかった。だが、カギがかかっている。

   まずい!!!「Locked.Key! Get the key!」とかなんとか、わめいて、おにいさんの返事も待たず、階段を駆け上がって、カウンターから飛び出し、びっくりした顔のカウンターのお嬢さん方を横目にみんなが待っているところまで戻り、あっけにとられた家族に「カギ、かぎ、鍵。バッグのカギを出してくれ」叫んで、出された鍵をひったくって、再び通路から作業場まで転がるように降りたら、フー。おにいさんがバッグのそばで待っていてくれた。ノートPCを取り出し、思わず、「サンキュー、サンキュー、サンキュー」おにいさんの手、両手で握りしめちゃいました。

  それにしても。振り返れば、結構エガタイ経験でした。セキュリティー管理が厳しい空港で、作業現場まで乗客を入れてくれるなんて、あり?荷物探しは時間がかかるので、係員のおにいさんの機転だったんだろうが、日本とかだったらどういう対応をしてくれたんだろう。

  おかげで、私は普通の状況じゃあ進入させてくれない空港の荷捌き現場まで入り込み、その前近代的な作業現場をつぶさに見学することが出来たのですが、ま、相当に貴重な体験だった。

    それやこれやありましたが、すべて強引にいい思い出にして  プーケットを出発です。

  出国手続きがなければ、国際空港といっても本当に地方空港。のどかにグッバイです。




  プーケットを夕方に出て、香港には深夜に着。





  相棒は久しぶりに、香港島の夜景を見れたと、大喜びでした。

   でもそこからが大変。日付が変わるまで空港にいて午前2時前の出発で早朝6時すぎに日本へ帰着。せいぜいうたたね程度の過酷なスケジュールでした。



  24時間眠らない香港空港も、深夜10時か11時ごろにはデューティー・フリーも閉店、時間をつぶすところもないので、私一人、香港のベンチで一時間ほど爆睡しました。

  この未明に出発する便は、いろんなところからの接続便らしく、なかなかの盛況。なるほど、やはり香港を起点にして東南アジアから豪州方面あたりへのフライトは、使えるルートですね。

   未明のフライトは疲れましたが、これは、楽しみなルートを見つけました。次は、LCCですね。





                        プーケットぐーたら旅行 
                              終わり























2014年11月6日木曜日

プーケットぐーたら旅行 5

いつごろからか、定年退職したら、世界を旅してみたいと思っていた。
まず、2012年・64歳を迎える春、アメリカ西部の荒野に広がるグランド・キャニオンやモニュメント・バレー、イエローストーンなどを20日ほどかけて、妻と二人でアメリカ西部を車で巡る旅に出かけた。英語力はお粗末だったが、旅のスケジュール、予約から運転まで、ちょっと「自立」した旅になった。

もう少しこんな旅をしてみたいと思っていたのですが、のびのびになった2年ぶりの旅は、一転、息子夫婦と4人でタイ・プーケットへ、ぐーたら旅行。





プーケットぐーたら旅行

第4日 5月31日



今朝も1人で浜辺を歩いたり、軽くジョギングしたり。部屋に戻り、ベランダに出て本を読んでいるうちに、相棒の支度が整い、レストランへ。比較的すいていたので、浜辺に近い席につく。周囲を見回すと、小さな子ども連れの人が多く、今日も西欧系の人が3分の2、アジア系の人が3分の1という感じか。


日本の方は、小さな女の子1人を連れた40代前半ぐらいの家族に昨日1組出会っただけ。そういえば、昨日のコーラル島も日本の方はゼロでしたね。しばらくすると息子夫婦も現れた。



   波の音を聞きながら、今日もまず一回り目はカンパーニュ風のパンにハムやチーズ、野菜などを軽く乗せてオープンサンド風。オムレツも添えて。ジュースやスープもいただいて。2回り目はワッフル。チョコといちごのソースに、たっぷりとホイップクリーム。軽く果物を添えて。

   3回り目は果物中心に。ここへ来てから毎朝同じメニューをご機嫌でいただいています。それにしてもよく食べますね。家にいるとジャム&ヨーグルト、バナナ、ピーナツバーを塗ったトースト半分とアイスティーで終わり。軽く3倍は胃袋に入っているはずなのに、ちゃーんとお昼ごろにはおなかが気持ちよく空きます。どうなってるんでしょうね。






   時間があるので浜辺へ出てみる。ブラブラ散歩していると、幸せそうなカップルに出会った。ウエディングドレス・スタイルで記念。裸足で浜辺を二人して走ったり、カメラマンの注文は、いまやバンコク共通ですね。





   10時に隣の息子夫婦の部屋をノック、これから少し遠出です。プーケット一の人気ビーチ、パトンまでお土産買い出しに出かけます。


   今日は北へ、カタ、カロンとビーチを二つ通り過ぎ、パトンまでトゥクトゥクにたっぷり乗れます。地図を見ると昨日の「Chalong Bay」より遠いです。目指すのはパトン・ビーチのど真ん中にある「Jungcylonジャンクセイロン」という巨大なショッピングモールだそうです。そちらの方は女性軍におまかせで、こちらは付いていくだけ。トゥクトゥクの料金は500バーツでした。


   途中のカロン・ビーチも大きなにぎやかなビーチだと感心しましたが、パトンは桁違いとはこのこと、カタ・ビーチに比べると二つほど桁が違いそうな大きな町でした。ビーチはどこにあるのか分からないほど、大きなホテルの建物が点在し、その合間にレストランやナイトクラブやお土産店やなにやかにやの店が軒を連ね、道路は午前中から車があふれて騒然。確かにこれだけにぎわいのある町なら美味しいレストランもありそうですが、これじゃあ、アンダマン海の夕日どころではないでしょうね。



バン・ビーチに入る手前で、車がガンガン行き交う路上に、小象がウロチョロ。これもタイらしい光景でしょうね。








   今回の旅ではどこに宿を取るかで、少し考えました。空港のさらに北にあるJWマリオット・プーケット・リゾート&スパが最有力候補でしたが、周辺には小さな町もないようで、食事を含めてホテルに閉じこもりになりそうでした。一方、パトンのホテルを見てみると、ビーチに出るのもホテルによっては町中をケッコウ歩くことになりそうで、かといってホテル内のプールサイドだけでは、ゆっくりリゾート気分というわけにいかないでしょう。ということで「ビーチに近い静かなところがいいが、歩いて行けるほどのところに町があるような」と、旅行代理店に相談してアレンジしてもらったのがカタノイ・ビーチでした。


   やってきたパトンは私が想像していた以上の、大はしゃぎ系の町でした。



   主なお店は11時の開店。30分もしないで到着したものだから、までまだまだ時間があります。少しうろつくと、3つか4つほどのビルのブロックがあり、そのビルの広い谷間を大きなアーケードが覆い、おしゃれな屋台のような露店が並んでいます。







  

   もちろん、ビルの中にはファッション、お土産店から「ビッグC」というタイ随一のスーパー・マーケットのチェーン店や、回転ずしやファーストフード店などなど、300店以上の店が集まっているんだそうで、ここでガッツリお土産をゲットする算段だそうです。しばらくすると人が集まってきました。








   女性勢はすでにどのビルに目指す店が入っているのか、調査済みのようでした。みるからにおしゃれなお土産用の商品を並べた店が集まった広いフロアを丹念に見て回り、最終的には「NaRaYa」のバッグ、小物を並べた店へ。30分ほどかかって熱心に吟味し4、5個お買い上げ。続いて香り系の店へ。きれいに花の形に、彩色、カービングした石けんや何やかやを何個かお買い上げ。ゾウの財布など小物も買い込む。


   おなかも減ったし、疲れたのでお店の一角にあるフードコートでお昼にする。気に入ったお店でタイ風の汁ソバを指さしで注文すると、指さしやらジェスチャーやらでフードコートの中央にあるレジで先にお金を払って来いということのようだった。2人で300バーツ。支払い済みの紙を持って帰ると、汁ソバが出来上がっていた。ちょっと面倒くさいが、食券を買うようなものだと思えばいいのか。







   一休みしたところで、次はスーパーをのぞいてみる。お土産用のチョコレートやお菓子類はスーパーに限る。ゾウの形をしたチョコや、ピリッと辛いえびせんべいや、とにかくちょっとタイっぽいお菓子を買いあさる。果物売り場でマンゴスティンやマンゴーを買い込む。こちらはホテルへ持って帰って冷やしておいて、部屋でいただく算段。


   さらにブラブラ歩いていると、木彫りのゾウなどが積まれた一角を発見。さっきのお土産ショップにもあった、観光客用のいかにもタイっぽいグッズが、グーンと安い値段で転がっている。思わず私まで、ゾウさんの形をした財布や、小さな人形まで買ってしまったぐらい。

   先に買い物も終わって、店の中をブラブラしていると、すっぴんでお買いものしているニューハーフのグループを発見。「これこそタイの素顔だ!」とおやじギャグの独り言。

   当初の予定では、この日はパトン・ビーチの後は夕方から、プーケット・タウンで週末に開かれるウィークエンド・マーケットに出かけることになっていた。ドンピシャの土曜日だったが、クーデター騒ぎで万全を期し、都心部で人がたくさん集まるところへ行くのは控えようというにした。プーケットへやって来てみると、何の問題もなさそうだったが、変な欲は出さないことにした。ちょっと残念だったけど。

   で、トゥクトゥクに乗ってホテルへ。本当にどのトゥクヨゥクも内装には相当凝っていて、「トゥクトゥク図鑑」でも作ればケッコウ面白いものが出来そうな気がする。




   水着に着替えてプールサイドでごろごろ。昨日から団体でやって来た豪州?の若者たちが、ビールを一気飲みしたり、ふざけあっている。今日も空模様は、雨季はどこへ行ったの?といういい天気。


   そんな中を、本を読んだり、プールに入ったり、ウトウトしてみたり。




   部屋へ戻り、今度はバルコニーに座ってビールを飲みながらぼんやりとヤシの葉越しに海をながめる。


   プールのにぎやかな連中もいつの間にかいなくなり、青い空の西の水平線から沸き立つ積乱雲が少しずつ朱色に染まって、そのうち青い空まで、少し赤みを帯び始めた。



  

   今日は昨日よりきれいな夕日が見えそうだぞ。隣の部屋の息子もバルコニーにいた、女性勢も誘って海辺へ出てみる。







   繰り返し繰り返し押し寄せる波が、砂浜の奥までヒタヒタ押し寄せてくる。その押し寄せる波が夕日を反射して砂浜を赤く染め上げる。「昨日より今日。最後の夕日は最高だね」




   最後の夜の夕ご飯、もう一度カタ・ビーチのローカル・レストランに挑戦。「Eightfold」ここも上位の店。品ぞろえも、味も「Sugar and Spice」といい勝負でした。タイ風焼きそば、エビの炒め物などおなじみの品々が並ぶ中、タイ料理とは違うが、皆には甘めに味付けした豚のスペアリブが一番人気だったかな。で、今晩も1300バーツなり。どうやら今回の旅は、朝ご飯が一番思い出深ったかも。


   プーケット最後の夜は、息子たちの部屋でビールを飲み、スーパーマーケットで買ってきて冷蔵庫で冷やしておいたマンゴーやマンゴスティンを4人でいただく。マンゴスティンも悪くないが、私はやっぱりマンゴーだな。