2013年11月3日日曜日

アメリカ西部の旅
2012年6月4日



ワイオミングWyomingを出発し南へ。今日はコロラドColorado、ユタUtahを抜け、アリゾナArizona州まで4州を股にかけての大移動。出来る限り真っ直ぐに道を選ぶとこんなルートに。それにしてもUS191にはお世話になりました。

ロック・スプリングRock Springを出てUS191を南へ、Flaming Gorge National Recreation Areaあたりでユタ州。バーナルVernalでUS40を東に向かい、今度はコロラド州入り。恐竜化石で名高いダイナソー国定公園Dinosaur National  Monumentの町、ダイナソーDinosaurからCO64を南へ、Rengelyの町外れで今度はCO139。山道をDougras Passで越えてグランド・ジャンクションGrand Junctionの少し西、I-80の15番入口で久しぶりのインター・ステートInter State Hwy。
西へ向かいそのまま再びユタ州入り。182番入口で出て、US191でアーチーズ公園Arches National Parkや、懐かしいMoabの町を通過。Blanding、Blufを過ぎ、本日4番目の州アリゾナへ。砂漠の真っただ中のトレーディング・ポストTrading Post、メキシカン・ウオーターMexican Waterで人間も車もしばし休憩。砂漠の中をUS191で本日のゴール、チンリChinleへ。


Blandingの町ではスピード違反でパトカーのお世話になる「思い出深い」体験あり、11時間のドライブは印象深い一日でした

走行距離=525マイル


宿:アリゾナ州 Best Western Canyon de Chelly  $130.56

給油:25.25 Utah州のUS191沿いFlaming Gorge Lakeに近い町 Dutch John 
     $20 UtahMoab の町中のガス・ステーション  
     $20 Arizona州 US191沿い、砂漠の中のMexican Water Traiding Post
夕食:ホテルに隣接したピザハットPizza Hutでピザ&サラダ$24.2 

買い物:土産用Tシャツ$31.09  ジュースなど$3.31


  朝7時10分、モーテルMotel 6発。ロック・スプリングRock Springからまずユタ州Vernalを目指す。 

  US191の山道をFlaming Gorge National Recreation Areaへ。Flaming Gorge Damで生まれた巨大な湖を右に見て高原をドライブ。

  山を一気に下ってSteinaler  State  Prakの人口湖の湖岸を抜けるとVernalの町。ここらから道はUS40

  町を出てしばらく行くと「Utah Welcome Center」の建物。
  ユタ州の観光案内所。この施設の北からコロラド州Dinosaurにかけて広がるDinosaur National Monument、そうダイナザウルス、恐竜の化石で有名な公園のユタ州側のビジターセンターを兼ねている。




  グリーンリバーGreen Riverの上流にあたる川を渡り、少し行くと道路左手脇に恐竜公園の一部山塊が望める小高い展望台。ここから記念の写真をパチリ。実は、ここで一泊して恐竜公園を訪ねてみるのもいいかなと少し迷った公園。










  コロラド州Coroladoに入るとすぐにDinosaurの町。この町でUS40から今度はCO64へ。見渡す限り大平原という感じのでっかい大地の中を一直線に地平線の彼方まで続く道-こんな景色もすっかり慣れっこになった私は淡々と70マイルほどのスピードで対向車もほとんどない道を飛ばすだけ。でもビビル相棒は、こんなでっかい大地の風景が大好きで、盛んに車内からカメラで草原と空と雲を撮っている。
Rangelyの中心街。典型的な西部の町並だ
  インターステーツ以外の道は、郊外は65マイル以上だが、町が近づくと、最高スピードを示す道路標識が一気に45マイル、30マイルとダウンする。Rangelyの町に入り30マイルまでダウンした最高スピードが、再び45マイルと上がり始める町の東外れからCO139方面へ右折。ここからは直線的にDouglasPass(8240フィート)を越えて、コロラド州中央部を東西に貫くI-70を目指す。  
   荒野に敷かれた道路と前方だけを見て黙々と運転していると、10分、20分単位でもあまり変化あるようには思えない。こういう時は危ない。まだ午前中だからもっているけど、午後は睡魔に要注意だ。睡魔までいかなくても、注意力が落ちてくる。アメリカの知人に勧められ、このドライブに出る前、スーパーのドラッグ・コーナーで買っておいた眠気防止剤がなかなか効く。
  カフェインが主原料の無味無臭の錠剤、飲むと2030分もしないうちに、ぼんやりしていた視界すっきりしてくる。ちょっと距離の長い移動時には、すっかりお世話になっている。
   助手席のビビル相棒は、居眠りの名人だが「せっかくアメリカへ来て眠ってしまうともったいないから」と、今回のドライブ前半ではたまに薬の力を借りている。この分なら今日は「ヤク」のお世話になりそうだ。

  徐々に高度を上げるに従い、少し樹木が多くなるが、基本は乾燥した荒地。峠付近で正午近くになったので、道路脇に止めてお昼タイム。
  このドライブ旅行3日目あたりから定番になってきた昼食メニュー。薄い小型パンにチーズ&ハムとオレンジジュース。ハムもチーズもあまりおいしいと思わないが、オレンジジュースは別、これだけはいつ飲んでもしっかりおいしい。
  車の外に出ると暑い。エンジンを切らず、クーラーを掛けておかないと、とても車内にはいられない。日差しがジリジリ刺すようだ。

  緑深い峠から一気に山道を下り、美しい緑の畑の中を抜け、グランド・ジャンクションGrand Junction西にあるLomaという小さな集落外れの15番入口から久々のインターステーツ、I-80に入り西へ、再びユタ州を目指す。

  キャピタル・リーフCapital Reef公園からアーチーズArches公園へ回ったときにお世話になったI-80Crescent Junction(ユタ州)で降りてUS191を南下する。5月29日朝に出発して以来1週間ぶりに見るMoabの町。2泊した「Silver Sage Inn」の看板が何だか懐かしい。近くでガス補給。
   町を出て10マイルほど行くと、左手の赤い岩に「HOLE N THE ROCK」白いペイントでデカデカと書かれたドライブ・インのような施設。この裏のpicnic  areaでトイレ休憩。
 この岩だけでなく、モアブMoabの町を出て以来、ずーっと、はるか彼方や、道路近くにアーチーズ公園で見たような赤みを帯びた岩々の丘が続く。
 さらに行くと大きなアーチが現れた。アーチーズ公園から随分と離れているが、ここはちょっと知られたアーチらしく、それなりの人だかり。
  車を停めて歩いてみると「Wilson Arch」とある。アーチを背景に記念撮影。行けども行けども似たような景色の連続。こんなちょっとした変化も今はありがたい。

  突然ですが、トラブルです。
  午後2時から3時ごろ、一日でも最も要注意の時間帯。アンチ・ドーズ剤(居眠り防止のカフェイン剤)も飲んで、運転に集中していたつもりだったのですが、警察に停められてしまいました。実は不思議なことに、車を停めた前後のこと以外、当時の記憶はほとんど残っていないのです。どの町の出来事だったのかも覚えていないほどです。それほど動転していたのでしょうか。ビビル相棒さんによるとそれはBlandingの町だったそうです。
  ご機嫌で大学生時代に、自転車で九州を一周したことを話していたそうです。それで注意が散漫になったのでしょうか…
  自動車専用道のインターステーツを除くとどの町でも、町が近づくと急激なスピードダウンが求められます。60マイル以上から4530と矢継ぎ早に道路標識が出てきます。もちろんブレークを踏まないと間に合いません。町の中心街は30マイル、どの町でもそうです。
  町に接近すると、どの車もルールをよく守っています。このあたりからは記憶があります。この時、アクセルは踏んでいなかったのですが、ブレーキも踏まず、徐々にスピードが落ちていくのに任せていました。前に車がいなかったので、安心していたのだと思います。なので、町の中心部に入りかけたあたりで40マイル以上は出ていたはずです。
  すると、対向車線を走っていたパトカーがUターン、私の車の後方に回った。しまった!と思って、バックミラーを見ると、どうも私の車の後を付いてくるようだ。
  パトカーから車を停めろという指示はまだなかったのですが、すぐに路肩に停めました。するとパトカーも車を停め、お巡りさんが車から降りてやってきた。「やっちゃったー?」
  窓を開け、「スピード出しすぎ?」訪ねると「そうだね、免許証とIDを」。やっぱりやっちゃいましたか。
  スーッと血の気が引く思いでした。
  免許証とパスポートを渡した後、車を降りて「かなり出てました?」「だいぶオーバーしていたね」やりとりしていると、何とビビル相棒がカメラを構えて私たちを撮ろうとしている。慌てて「やめなさい!」
  本当に何をやらかすやら。こんなところで警官を刺激しないでくださいよ。
  警官は免許証とパスポートをしばらく眺めていたが、穏やかな表情で「OK」と言って、そのまま返してくれる。エ?切符を切らないの?それって。「??OKって…」「行っていいよ」「いいんですか。本当に?」「ありがとう。スピードには気をつけますよ」「そうだね、出しすぎないように」もちろん、急いで車に乗り、スピードを出しすぎないよう、ゆっくりと発進!
  こんなことってあるの?後で、アメリカの友人に聞いたら「外国人の場合、罰金の取り立てや違反切符の処理など、警察側もいろいろ面倒なことがある。それに手続している間に帰国しちゃうなんてこともあるでしょう。なので多少のことは見逃してくれることがあるみたいだね。ただし、悪質だと判断されたら、いきなり拘束されて留置所に放り込まれることになる。そうなったら大変よ。いずれにしても、十分気を付けたほうがいいね」。
  これがBlandiingという町での出来事。スピード違反で車を停められる前後から「OK行っていいよ」といわれるまでのことは、気味が悪いほど鮮明に覚えているのですが、それ以外のことは、完全に記憶から消えているのです。
  ビビル相棒がメモを残しておいてくれなかったら、いつごろ、どこで起きたことなのか、まるで分からなかったほど、実に奇妙な記憶なのです。それほど強烈な出来事だったのでしょう。それにしても、10万円ぐらいの宝くじに当たったような気分でした。

  余談だが、グランド・ティトンGrand Tetonで、レンジャーの車に停止命令を受けながら、なかなか停止せず、追い掛け回されていたアジア人の乗った乗用車を見かけた。国立公園内では、レンジャーが警察官の職務も代行をしているそうなので、ご用心。彼らはどんな対応を受けたのだろう。

   この町を出た南にUS191に沿って空港があって、その外れでUS95が合流する。このUS95は、5月22日にグランド・キャニオンGrand Canyonからモニュメント・バレーMonument Valley、ナチュラル・ブリッジNatural Bridgeと回って、Bluffの町に宿を取った時、ナチュラル・ブリッジNatural Bridgeから走った道。
   ここでUS191に合流し、20マイルほど先にあるBluffまで今日と同じ道を走ったはず。しかし同じ道を2度も走っているのに、この日もどんな景色の中を走ったのか、全く記憶がない。
   記憶に残っているのは、Bluffの町の少し手前で、ユタUtah、アリゾナArizona、コロラドCorolado、ニューメキシコNew Mexicoの4州の州境が交わる「FOUR CORNER」という名所への分かれ道が荒野砂漠のど真ん中にあったこと。
 そこで一瞬、寄り道したらどうなるかな?頭をよぎったが、スピード違反で捕まったばかり、ゆとりを持って安全運転、寄り道なんてとんでもない!
  ちょっと懐かしい、モーテル(Kokopelli Inn)を横目にBluffの町を通過。西郊外でUS191に沿って左折。(直進すれば5月22日に通ったUS163になり、メキシカン・ハットMexican Hatからモニュメント・バレーMonument Valleyへ)荒野砂漠の真っただ中を駆け抜け、ユタ州からアリゾナ州Mexican Water を目指す。

地図には「メキシカン・ウォーターMexican」とあるので、町があるのかと思っていると、周囲には畑や樹木もない、乾燥しきった荒地のど真ん中に「Mexican Water Traiding Post」と書かれたガス・ステーション兼ゼネラル・ストアがあるだけ。一帯は、相当広範囲なエリアがナバホ族の自治区「Navajo Nation」でもある。すぐ近くに川(通常、水は見えないが、その周辺に筋になって緑が茂っている)があり、南北をつなぐUS191と東西を結ぶUS160が交差する要衝だが、ざっと見渡す周囲には家一軒ないのに、ランドリーが併設されているのが面白いような奇妙なような。
  このドライブで、ガス・ステーションが時たま「トレーディング・ポスト」だったことがあったが、ここまであまり気にもしてなかった。でも、こんなところに存在する「トレーディング・ポスト」という存在にちょっと興味をひかれた。
  トレーディング・ポストのことは、実は明日も出てくるので、詳細はそちらで。いずれにしても、この先、確実にガス・ステーションがありそうな町(今日の泊まりのチンリchinle)まで何十マイルもある。ガソリンはまだ余裕で半分以上あったが、給油に立ち寄り。トイレも借りて、店内をうろうろ。
 360度グルリ、雑草がショウボショボ生えているだけの半砂漠状態の荒野、その真っただ中をひたすら、地平線の向こうに消えるつぎはぎだらけのコンクリートの道を追いかけて車を走らせる。
  10マイルほど直線が続き、少しカーブすると今度は15マイルほど直線…窓の外の景色は、ブッシュの生えた砂地混じりの荒地から、岩場の荒地へ…いずれにしてもまともな作物に恵まれそうにない厳しい大地。


  それでもロック・ポイントという小さな小さな集落があり、もう少し人家が集まったラウンド・ロックという集落も。ここでUS191は右へ大きくカーブ。
  
  ポツリポツリと人家が現れ、大地には人の営みが続く。メニー・ファームズMany Farms の集落を通過するとすぐに本日のドライブのゴール、チンリChinleの町。信号のある交差点を左折すると今日のねぐら着。それにしても信号なんて、モアブの町以来だったかな。
  たどり着いたベスト・ウエスタン。100㌦を越すだけあって落ち着けるいい部屋だったのだが、小さなトラブル。カード式のキーがうまく作動しなくて、簡単に部屋へ入れてくれない。係員がやってきて差し込むと、開く。キーを替えてくれたが、ちょっとしたコツがあるようで、簡単には開いてくれず、部屋の出入りのたびにてこずるのはご愛嬌?
  町はナバホ族の自治区「Navajo Nation」にあるため、アリゾナ州とは1時間の時差があるのがちょっと面白い。
  「Navajo Nation」は、実はユタ州南部からアリゾナ州の東北部とニューメキシコ州の北西部を占める広大な地域で、私たちがこれまで訪ねてきた、モニュメント・バレーや、グレン・キャニオン・ナショナル・モニュメントのアンテロープ・キャニオン、もちろん先ほど通ってきたばかりのメキシカン・ウォーターなどすべてが含まれる。

  この町のすぐそばにあるキャニオン・ディ・シェイももちろんエリア内。
 でも、走って実感できるのは、このエリアは本当に荒野砂漠の連続。馬の放牧を見かけた程度。「インディアン」と呼ばれた時代から今と同じような厳しい風土だったのだろうか。 

  そんなわけで、ここのモーテルやレストランの従業員などもネイティブ・アメリカンがほとんど。ホテルのお土産品コーナーでネイティブの意匠を施したグッズが並んでおり、ビビル相棒はネイティブ風の刺繍を施したTシャツなどを購入。そう、そろそろ旅も終わりに近い、買い忘れた土産はないか、そんなことも気になるころだ。

  夕食はホテルに隣接するファミレス・タイプのレストラン。ピザハットPizza Hutのメニューもある面白いところ。なので、本日のメニューは4人前はありそうな巨大なピザと、大皿に山盛りサラダ。大満腹、大満足。25ドルでお釣りがきました。




 それにしてもUS191には随分お世話になりました。イエローストーン公園Yellowstone National Park、グランド・ティトンGrand Tetonでお世話になってからしばらく離れていたと思ったら、サウス・パスSouth Passで再開、アーチーズArchesでまたまたお世話になってからはズーッと191。明日もしばらく191です。調べてみるとUS191はカナダ国境からメキシコ国境までアメリカを縦断していました。こんな道路がほかに、多少あるようですが。

 明日は公園を二つ訪ねて、さらに南へ。


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