2012年5月28日
モアブMoabの町の北はずれはもうアーチーズ国立公園Arches National Park。朝いちばんで人気のデリケート・アーチDelicate Archへ。続いてデビルズ・ガーデンDevils Gardenのランドスケープ・アーチLandscape Arch、途中にサンド・デューン・アーチSand Dune Archに立ち寄り、ノース、サウス、ダブルなどのアーチが並ぶウインドウ・セクションWindows Sectionへ。もう一度遠くからもう一度デリケート・アーチを眺め、最後に林立する岩の柱が摩天楼やギリシャ・ローマ時代の建物のようなコートハウス・タワーズ・ビューポイントCourthouse Towers Viewpointやパークアベニュー・ビューポイントPark Avenueの展望台に立ち寄り。ドライブというより、よく歩き回った一日。
走行距離=60マイルmile
宿: ユタ州Moab(Silver Sage Inn $190.88 連泊)
給油: $34.03 chevron モーテル前のスタンド
夕食: $33 Moab Brewery(mexican)
買い物: マーケット $5.14
5時半起きで7時(西海岸時間6時)出発。公園の見どころはすべてパスして一目散、のつもりだったが、朝の清清しいコートハウス・タワーズCourthouse Towers の様子に思わず車を止めてシャッターを押してしまった。
公園内でも東北側の最深部にある「Delicate Arch」へのトレイル・ヘッドにある駐車場に到着したのは8時前。それでもすでに4分の1ほど埋まっていた。準備を済ませ、次々と出発していく。私たちもトイレを済ませ、駐車場を後にする頃には駐車場は半分近く埋まっていた。
すぐ目と鼻の先に開拓時代の小屋「ウルフランチ」。ジョン・ウェスリー・ウォルフとその息子のフレッドが1800年代後半、ここに牧場を開き定住した。不ぞろいの丸太で出来たログハウスの入り口には住んでいた女の子と婦人の写真も。
こんな乾燥した僻地の荒野の、こんな小さくて粗末小屋に、家族だけで住み、牧場を経営していたなんて。小屋の周辺には牧場の形跡も色濃く残し、小屋の内部の見学もできる。
わずか100~150年前の西部開拓時代、ちょうど私の祖父世代が営んだ苛酷な状況と、遠くアジアからやってきて車で走り回っている観光客=私たちの境遇とのギャップにちょっと感慨。
父の世代は戦争世代、じいちゃんの世代も大変だった。100mほど先の岩陰にはネイティブ・アメリカンの描いた羊や馬などの絵も残っている。
そんなトレイル・ヘッド周辺からいよいよなだらかな登りが続くだだ広い岩山の上を歩き出す。時々、貧弱な草が岩山にへばりついている程度で小高い岩山の頂きまで見通しても日陰なし。日差しは朝早いのにもう結構ジリジリくる。
高台まで上ると、このあたりには「TRAIL HEAD→」や「←TRAIL」の文字のぶっきらぼうな道標が2つ、3つ。
さらに、頂のようなところまで登り切ると、今度は岩山の左手へ回り込むように道をとる。
右手が岩の壁になった回廊のようになった道を少し上る。
壁が切れたらゴールだ。
想像以上にすごいところに、想像以上にでかいアーチがそびえていた。
歩いてきた回廊のような岩の延長線は岩山だが、アーチ周辺は急な傾斜の断崖で下が深ーい砂漠の谷。
回廊側から見ると、微妙な岩山の傾斜地の端っこギリギリのところで両足を踏ん張るような格好で、アーチがそびえ立っている。
特に、はるかかなたの山々の頂上付近に雪が残る風景をバックにする角度から見ると、すごいところに立っているその様子がよく伝わってくる。
遠くから見ていると大きさがよく分からないが、ぐるりと円弧を画くようにアーチの下まで歩いて見上げると、その大きさが分かる。
少し離れた急傾斜の岩場に座り込んでぼんやり見とれている人たちに、一組、一組思い思いにカメラをあずけて、アーチの下まで行き、順番に写真を撮ってもらっている。私たちも、日本人の方がいたのでお願いして撮ってもらう。戻ってきた私たちが今度は逆に写真を頼まれる番だ。
午後4時前、もう一度、デリケート・アーチを今度は遠くから眺めるポイントへ行ってみた。アーチの南の谷の反対側の高台から眺めるポイントだ。駐車場近くのLower pointからでは物足りず、15分ほど小山を登ってUpper pointまで行ってみた。
そこから見るアーチ。改めて、アーチが立つ場所(このポイントからだと、切り立った崖の縁に斜めになって乗っているように見える)の危うさ、その巨大さに感動だ。
デリケート・アーチの次は、もう一つの名所、ランドスケープ・アーチLandscape Archを目指す。北東部にあるデリケート・アーチから西のデビルズ・ガーデンDevils Garden へ。この二つのアーチはしっかり歩いて訪れる人気のアーチ。
したがってトレイル・ヘッドの駐車場は込み合うことになるはず…。10時過ぎ着、だが予想以上に車の量は少ない。人気といっても、Grand Canyon、 Zion、Bryce Canyonと、Capital Reef以降の公園では、まだまだ差があるようだ。
ランドスケープ・アーチまでなら往復で1時間ほど。道もおおむね平坦。だが、太陽の照りつけは想像以上の暑さ。砂地に足を取られ、足も重い。相棒は朝のデリケート・アーチでほぼ電池切れ状態。途中で「ここで待っている」というのをなだめすかし、ヨタヨタやっとこさで足を前に進めている。
岩が縦に割れ、長いフィンが出来、フィンの下部から崩壊するとアーチが出来る-そんなアーチの生成過程を知って歩き出すと、トレイル沿いに続く大小の岩の壁や小山に出来た小さな穴も、これから立派なアーチになるかもしれない予備高生に見えてくる。
その予備高生の群れを抜け、左手の前方に岩山が見えてくる。歩みを進めると、危うそうに架かるアーチーズ国立公園Arches National Park 最大、端から端まで306フィート(約92m)もあるという大きなアーチがしっかり見えてきた。
さすがに大きい。間近から見上げると、アーチ頂上部の高さも200フィートぐらいは軽くありそうだ。背後の岩山と青い空が、アーチの向こうで美しい。
巨大なアーチなのに、架かっているアーチ部分の右の端に近い部分の厚みは下から見ると、紙のように薄い。その薄い部分は、1991年に長さ60フィート、幅11フィート、厚さ4フィートに渡ってアーチの下部が剥げ落ち、今のように薄くなったのだといい、最後の薄い部分が滑落してアーチでなくなる日もそんなに遠くなさそうだ-てなことが、すぐ真下に立つ案内板に、滑落当時の写真付きで書かれていた、はず。
その危うさがアーチを一層美している。
次の見どころ、ウィンドウズ・セクションWindows Sectionへ移動の途中にちょこっとサンドデューン・アーチSand Dune Archに立ち寄る。駐車場から少し歩いて小さな岩の隙間をくぐり、岩に囲まれたサラサラの砂地をくるぶしあたりまで埋まりながら歩いて行くとホールのように開けた空間に意外に大きなアーチ。
アーチの上によじ登る大人、砂地に座り込んで遊んでいる児童。砂地に差す日差しも岩の隙間から差し込む柔らかな間接照明で、心地いい。
広々とした平原に大きなウィンドウ窓のように開いたアーチが続くウィンドウズ・セクションWindows Sectionは、Arches national parkの中心あたりに位置する、ヘソのようなところ。大きなキャンピング・カーがたくさん停まって、人出も多くちょっと観光地風の華やかなにぎわいがある。
駐車場から真っ直ぐ左手のノース&サウス・ウィンドウNorth&South Windowの小高い丘を目指す。それこそ、じい様・ばあ様から子どもたちまで、ぽっかり開いた巨大な窓の下から窓の向こうの景色や、近くのタレットTurretアーチ、ちょっと遠くのダブルアーチなどをゆったり眺めている。
右手のタレットアーチは後で回ってみようと思ってるうちに、トレイルを間違え、ノース&サウス・ウィンドウの裏側へ出てしまった。人気のない静けさが支配する散歩道を歩きながら空を見上げると、アーチの岩にかかるように、真っ青な眩いほどの空に浮かんでいた白っぽい月が妙に心に残った。
タレットアーチは遠望だけにして、ダブルアーチDouble Archに向かう。ノース&サウス・ウィンドウより何倍か巨大なアーチ(ウィンドウ)が「く」の字のようにくっついて、メビウスの輪のようにも見える雄大なアーチ。がれきをよじ登ってアーチ(ウィンドウ)の輪っかの下まで行ってみる。以外にも高みにあって眺望がきく上、日陰にあたるので、さっきよりずっと居心地がいい。
ここは家族連れが多いようで、子どもたちも楽しそうにはしゃいでいる。
ここは家族連れが多いようで、子どもたちも楽しそうにはしゃいでいる。
少し車を移動して次はバランスト・ロックBalanced Rock。ここからはアーチではなく面白い岩、不思議な岩。
見る角度によるが、どうして上に乗っている大きな岩が落ちてこないのか、不思議。
見る角度によるが、どうして上に乗っている大きな岩が落ちてこないのか、不思議。
ここから一度デリケートアーチ・ビューポイントまで戻って、今度はデリケート・アーチを遠景で眺めた。
これで見たかったものは、ほぼこなした感じ。さすがに疲れて、シャワー&ビールが恋しくなってきた。あともう少し。コートハウス・タワーズ・ビューポイントCourthouse Towers Viewpointで、バベルの塔、シープロック、スリーゴシップス、ザ・オルガンなどなど、奇岩のいろいろをながめ、最後にパークアベニュー・ビューポイントPark Avenue Viewpointで記念写真。高い岩の壁が造り出す峡谷がニューヨークの摩天楼のように連なる1.6kmの「アベニュー」。西へ沈み始めた日差しが、ダイナミックで鮮やかな陰影を与えている。中国からの団体客を乗せた観光バスと鉢合わせしたので、一通り、団体さんの騒ぎが収まったところで、カメラを取り出しアングルを定めてパチリ。
ここから、コートハウス・タワーズ・ビューポイントまで、歩くと気持ちがいいのでしょうが、往復小1時間。ビールの誘惑には勝てません。頑張るときは頑張るけれど、基本、無理せず、楽しい旅を!です。まだまだ、スケジュールは半分をこなしたところ。先は長いです。
ホテルへ戻ってまずシャワー。ビールを飲みながら写真の取り込み、日記代わりのメール。今日の夕食は、どこにしようか。昨日、外で待ってる人までいた店Moab Breweryにしようか。
いい気分でスーパーの隣にある店まで行くと、今日もにぎわってるが、待つほどでもなく、席に案内された。Breweryというぐらいだから、ここはAle生ビールをいかなくちゃ。メキシコ風サラダのBrew Pub Nachosと、相棒はサーモン料理。
この Nachos という代物やそのうち出てくるwrap なる物、タコスやブリトーなどと違って私たちにはなじみの薄いメキシカンの食べ物。それがここアメリカ南西部では結構ごくフツーの食べ物のようで、メニューによく出ている。Wrap は英語的な感覚からいっても、何かを何かで包んであるものだということぐらいは想像できるが、Nachos となるとさっぱり訳が分からない。
出てきたものは、一言?でいうと、コーンチップスとトマト、玉ねぎなどの野菜や豆などをたっぷり盛り、チキンと、とろけたチーズをトッピングした具だくさんサラダ風。コーンチップスとチーズのおかげで私たちには立派なお食事という感じ。有名なタコスはコーンのお焼きで野菜や肉をサンドしたり乗っけて食しているが、コーンが一緒に混ざっているだけ、食べやすい感じ。
キャピタル・リーフCapital Reef のハワード・ジョンソンに隣接するレストランLa Cuevaで食べたコーンチップスをボウル型に焼いて器にし、野菜や肉などを盛っていた一品(残念ながら料理の名前をメモしてません)も似たような路線だが、チーズのかかったNachosが食べやすくて、ボリュームもある。ゆったり飲んで食べて、おなかいっぱい。今夜はリラックスした結構な夕食タイムだったかも。大満足。
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