2013年10月27日日曜日


アメリカ西部の旅
2012年6月1日


ホテル前のロウアー・テラスLower Terraceを散策後、イエローストーン川Yellowstone riverの滝を訪ねて、キャニオン地区Canyon Areaへグランド・ループ・ロードGrand Roop Roadをまずは東。続いてノースイースト・エントランス・ロードNorthEast Entrance Roadを過ぎると南へ。
タワー滝Tower Fallでマウンテン・シープMountain Sheepを見て、標高2700m、道路脇に厚い残雪が残るDunraven 峠を越えて、いよいよイエローストーンを代表する景観の一つ、ロウアー滝Lower Fall巡り。
まず渓谷の北側ノース・リム・ドライブNorth Rim Driveで、滝口へのトレイル・ヘッドへ。豪快に落ちていくロウアー滝を眺めた後は少し離れたレッド・ロック・ポイントRed Rock Point、ずっと遠くに滝が小さく見えるインスピレーション・ポイントInspiration Pointまで、ノース・リムを移動。
南のサウス・リムには、観光写真などでおなじみの撮影ポイント、アーチスト・ポイントArtist  Point、続いて滝の間際を滝壺近くまで降りるアンクル・トムズ・トレイルUncle Tom's Trailにも挑戦。
時間があったのでイエローストーン湖Yellowstone Lakeまでドライブ、湖に架かる虹を見てちょっとご機嫌の一日。
イエローストーン3日目は温泉巡りから一変。イエローストーン川の滝を巡る一日。黄色い岩(イエローストーン)をイエローリバーが削り取って出来た谷間&滝をいろんな角度からたっぷり眺め歩いた。
走行距離=80マイルmile

宿:ワイオミング州Yellowstone Canyon  Lodge $110.6

夕食:Canyon Lodge Cafeteria    - 

買い物:ホテルのゼネラル・ストアで ビール、ジュースなど$14.53、ランチ用$4.88、お土産$9.64


   ホテルの部屋で、薄いパンにチーズを挟み、飲み物はオレンジジュースか牛乳という毎日おなじみのメニューの朝食で今日も一日がスタート。
   ホテルによっては部屋にコーヒーメーカーが置いてある(もちろん、挽いたコーヒー付き。必ず、レギュラーとデカフェ・タイプの2種類を置いてあるのがアメリカ式。安いモーテルには置いてないこともある)ので、コーヒー付きの日もある。ちなみにこの日はコーヒー付き。
   今日もイエローストーン公園内を移動、タウン・ルーズベルトTower- Rooseveltを経てキャニオン地区Canyon Areaへ約40マイル、車を走らせば1時間もかからない距離。ルーズベルト滝Tower Fallとキャニオン地区のロウアー&アッパー滝Lower&Uper Fall とイエローストーン川の滝を巡る一日である。といっても、イエローストーンのシンボル、ロウアー滝をいろんな角度から眺め歩く予定なので、時間はたっぷりとってある。


   出発前に昨日の夕食前に散歩したLower Terraces の遊歩道へ、マンモスの見納めに歩く。

   Palette  Spring  方面からMinerva Terrace の上まで上がり、Overlook(展望台)から Canary Spring まで行き、戻ってきてMound & Jupiter Terraces を下り Liberty Cap がある駐車場まで、グルリと一回りだ。


   活動の終わった痛々しいMinerva Terrace、展望台から見晴らすモンタナ州Montana方面の雪をいただいた山々と私たちのホテル、足元は温泉で出来たテラスが広がる眺め。



灰色の小高いマウンドの中腹から溢れだした温泉が作り始めた新しいテラスは、小さくてもみずみず
しく輝いて、美しい。


   イエローストーンの本格的シーズンにはまだ早い。キャニオン方面への道路はほとんど車も走っていない。通過したタワー・ジャンクションTower Junction US212につながる)のロッジなどの施設はまだオープン前。




   ジャンクションからすぐ、イエローストーン川に沿ってもう少しでタワー滝Tower Fall  というあたりあるBleached  Cliff という展望台が。

   イエローストーン川Yellowstone riverの上流にあたる、黄色い岩を深く削った荒々しい谷間を見下ろすポイントだ。


    「険しい岩場にはマウンテンシープmountain sheepがよく姿を見せるんですよ。今日は残念ながら姿が見えないみたいですが」可愛い女性レンジャーが話しかけてきて、羊の大きな角を手に解説してくれる。
   絶壁の岩場を住みかにしていてヒョイヒョイ駆け上り降りる姿が見えるそうだ。



   そう、確かに、シープはいた!発見したのは、先ほどの少し先のタワー滝Tower Fall。ここは有名ポイントなので、大きな駐車場にはもう何台も車が停まっていた。
   滝の展望スポットはすでに10人ほどの先客。その一人60過ぎのおじさんが、一生懸命「ほらあそこ、滝の上に2頭いるだろう」うれしそうに話しかけてきた。
   「何がいるの?」「マウンテンシープmountain sheepだよ。ほら、左の方へ動いている」「どこ?」「あそこだよ」確かにいました、滝口付近に、羊とおぼしき動物が。すぐに森の中に紛れ込んでしまったが。
   灰色クマにクロクマ、それに今日はマウンテンシープ。
   「いたいた、いましたよ」「な、すごかっただろう」「あれがシープ?」「そうそう」。おじさんと二人してがっちり握手。







   ご機嫌で滝を後に、車は山道を登る。
   標高2700mの峠Dunraven Pass 近くの道路は1m以上の厚みのある雪渓が路肩に続く。まばらな針葉樹林の向こうの川Tower Creekの先には2900mクラスの雪を頂いた峰々が連なる。
   車を降りると、外は早春のたたずまいだ。

   この峠を下ると四辻に出くわす。そこがキャニオン・ビレッジ Canyon Village の入口。今晩の泊まり、キャニオン・ロッジがあるが、まだお昼前。そのまま真っ直ぐ行くと、すぐ左手にNorth Rim Drive の道路標識が現れた。

   Lower Fall の滝口の展望台へ続くブリンク・オブ・ローワーフォールズ・トレイル・ヘッドBrink of Lower Falls Trail Headの駐車場で昼食を済ませ、まずイエローストーン川の北岸からLower Fallの滝口まで降りてみる。





   針葉樹林の林越しに滝を見下ろしながら崖に沿って遊歩道をグングンと下る。

   15分ほど一気に下り、イエローストーン川の豊かで激しい流れが目の前に迫ってくると、滝口の展望台は間近だ。滝の周囲のあちこちに雪渓が残っている。




独特の薄い黄色の岩が続く谷に向かって、猛烈な勢いで圧倒的な量の水が次々と目の前を通過したかと思うと、一瞬で目の前から姿を消し、ゴゴゴ、ドドドドと音を残して93mの高さを一気に落ちていく。次々途切れることなく、流れ落ちていく半端じゃない勢いと水の量に、ちょっとチンサム。ここまで降りてきた甲斐ありのスケール感。
   続いて一方通行の道North Rim DriveLookout  &  Red Rock Points へ移動。

   滝口から1kmほど下流にあるポイントで、Lower Fall を正面から眺めることができる。

   高い位置から見下ろすのがLookout 、ここからの眺めでも充分だが、崖を下り、滝に近づいていくのがRed Rock Point 



   急な坂や最後は木製の長い階段を下って上ってだが、ぜひ頑張ってください。


   グランドビューGrand Viewに立ち寄ったが、ここは滝の姿が見えずイエローストーンの渓谷だけ、「The Grand Canyon of the Yellowstone」というちょっと欲張りな看板が面白くて記念撮影。





   北側のNorth Rim 最後のインスピレーション・ポイントInspiration Point。ここは滝口から3km近く離れたところなので、蛇行するイエローストーン川の渓谷の遠くでわずかに滝の白い帯が見える。

   深さ250~350m、幅数百mにも及ぶ、樹木がほとんど生えていない独特の明るい黄色味を帯びた岩の荒々しい谷の奥上部に滝が小さく小さく見える。









   ここで道は一度、キャニオン・ロッジ内を通過して四辻に戻り、改めてNorth Rim Driveを通過して、今度はイエローストーン川の南側、South Rim Driveのビューポイントへ。まずはアーチスト・ポイントArtist Point

   ここは「アーチスト」というだけあって、やや遠景で滝と渓谷のバランスが実にいい。確かに絵になる景色。ビジターセンターに置いてあった「Canyon Area Trail Guide」の表紙もここからのショット。イエローストーンの滝といえば、この角度からの写真、Canyon Areaを代表する絵になるポイント。

   さすがに展望台も大きくて、人も一番多かったみたいだ。








   南側にはもう一つ、アンクル・トムズ・ポイントUncle Tom's Point。最も滝に接近できるトレイル。

   初めは急な下り道たが、すぐに岩場に架かったパイプ製の急階段を328段、一気に150mあまり下る。

   滝のしぶきに太陽の光が当たって虹となり、さらに下ると日が射さない滝つぼ周辺には厚い雪渓、左前方、まるで至近距離(のように感じる)で、圧倒的な水量の白濁した壁。



   滝口がクローズアップの小さな展望スペースに立つ、それでも滝つぼははるか下。
   迫力満点。息は上がったが頑張ったかいあり。
   何のかんの言っても、このあたりは高度2000メートルを超す高地、息も弾みます。
   (ちなみに、相棒はへっぴり腰で3分の2ほど頑張ったが、もう少しのところで「帰りの階段の登りを考えたらもうだめ」とギブアップでした)

   ここで時計は3時前。落差33mのアッパー滝Upper Fallのポイントに立ち寄り。こちらも雪解け水で水量豊かな滝は見ごたえ十分。


   とりあえず、ロッジへのチェックインを済ませておこうと、フロントへ。周辺にはレストラン、ゼネラル・ストア、ビジターセンターなどが集まっている。夕方近くなると、混んでくるので余裕があれば早めにチェックインするようにしているが、これが正解。何と部屋に入れない大トラブル発生。
   フロントで鍵をもらって森に点在する木造ロッジまで行ったが、いざ渡されたキーで部屋を開けようとしてもびくともしない。しかたないからフロントへ戻り話しをしたら、マネージャーが出てきて、「係員が行くから部屋の前で待っていてください」。
   部屋の前で待っているとすぐに係員Aが来てくれたが、キーが開かないことを確認。一応、マスターキーで部屋には入れたが、鍵がないので今度は出るに出られない。「メンテナンスの係員が来ますので」と言っていなくなり、待つこと10分足らず。今度はそのメンテナンスの係員Bが来て、またキーが開かないことを確認。新しい鍵を持ってくると言って出て行ったが、今度は20分ほどたっても戻ってこない。
   そこで、またフロントへ行き、マネージャーに散歩したり、晩御飯食べに出かけたりしたいけど鍵が来ないとどこへも行けない旨伝えると、「時間がかかりそうなので、夕食後、部屋へ戻る前にフロントへ寄って鍵をピックアップして下さい」とのこと。フー、なんてこったい。その間、1時間ほど。

   それでも何とか部屋のめどがついたので、夕食までの時間を使って、イエローストーン・レイクまで出かけてみた。温泉、滝そして高原の湖。イエローストーンは変化に富んでいる。明日の朝、レイクを経由してグランド・ティトンGrand Tetonへ向かうので、同じルートもう一度走ることになるが、今日はのんびり気楽にドライブ気分だ。
   ロッジを出てしばらく南下すると、すばらしい高原地帯に出た。黄色い岩肌をむき出しにした渓谷が迫る滝付近の激流からは想像できないような、広々とした高原を流れるイエローストーン川に出合う。大きく蛇行しながらおだやかゆったりとした流れになったイエローストーン川は広大な河原を作り、そこが大草原になって、目の前いっぱいに緑豊かに広がっている。遠くにまだ雪をいただいた山々。360度、ぐるりとでっかい景色が体中を包む。

   川は再び両側から山が迫る狭小な谷を流れている。すると久しぶりに温泉を発見。川に沿って温泉が噴出し、一部は泥の「坊主地獄」になっているところも。Sulphur Caldron Mud Volcano と続く。

   サルファーsulpherは硫黄のこと。イエローストーンの温泉はこれまであまり硫黄臭を感じなかったが、ここもそれほどでもない感じ。マンモス以来、温泉活動は影を潜めていたが、やっぱりイエローストーンだ、温泉から逃れることはできない。


   でも不思議なことに、これほど温泉活動が活発なイエローストーンなのに、現在も入浴施設は皆無。こんなにお湯があふれているのに、すべて川に流れて消えていく。なんてもったいないんだろう。



   このあたりがちょうど峠のようになっていて、急に空の雲が厚く濃くなって軽い雨も降り出してきた。すると、垂れ込めた暗い雲の先に少し憂鬱そうな色をした大きなイエローストーン・レイクYellowstone Lakeが見えてきた。
   湖の手前で道が二つに分かれ、左手、川を渡って東入り口へ通じる道と、真っ直ぐに、湖の西岸に沿ってグランド・ティトンGrand Tetonに通じる道。この分岐点の少し先が湖岸に広がるのがLake Villege。ロッジやホテルが並ぶ湖畔のリゾートだ。

   湖畔に建つホテル前で車を停めると、ちょうど雨が上がり、何と日が差してきた。気まぐれなやつ。おかげで、憂鬱そうな湖面が、急に春のざわめきを取り戻したかと思うと、淡い虹までが湖面にかかり、私たちを出迎えてくれた。






   部屋の鍵でトラブったことで、ちょっといいことも。「時間がもう少しかかりそうなので、夕食後、フロントに寄ってもらえれば、キーを用意しておきます」と言ったマネージャーさん、実はその時に「夕食の時に、これでアペタイザーをお楽しみください」と2人分のバウチャーを手渡されていた。ちゃーんとしたレストランでの軽いお酒and/or前菜、ということだろう。

   でも私たちの夕ご飯、本日はカフェテラスで済ますつもりだったので、食事+ビールでも27ドルあまりですんでしまった。
   食事代ぐらい支払おうとしたら、キャッシャーがお金はいらないという。バウチャーだけでいいのだという。ラッキー
   少しいい気分でフロントへ行くと、まだ鍵が届いてない。それじゃあどうしたらいいの?などとやり取りしているところに、メンテナンスの係員が現れてようやく鍵をゲット。フー…やっと部屋に戻れます。
   今回の旅ではホテル部門最大の事件だったかも。

   でも、今日は静かなロッジ。相棒も3日ぶりにゆったり風呂を使い、心穏やかに眠れることでしょう。


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